データのデジタル化やIoT化が進む現代では、インターネットやパソコンなどの電子デバイスに囲まれた環境で育つ子供が多く、そんな子供たちの世代を「デジタルネイティブ」と呼びます。そして、デジタルネイティブは小さなころからインターネットを駆使しているため、行動傾向や消費傾向といったさまざまな部分にある特徴がみられます。
こういった特徴を知っておくと、子供の考え方や適切な教育方法の理解にもつながりますので、今回はデジタルネイティブの特徴についてご紹介します。
生まれながらのネット世代、デジタルネイティブの特徴
そもそも、デジタルネイme,itaorrrrrrrティブにはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、ミレニアル世代やZ世代と比較しながら違いをみていきましょう。
デジタルネイティブとは
デジタルネイティブとは、生まれたとき、あるいは物心がついたころからデジタル機器やインターネットがある環境で育った世代をいいます。デジタル機器やインターネットを日常的に使用しているため、扱いに慣れているというのが特徴です。
一般的には1980年代以降に生まれた世代を指すことが多いですが、明確には定められていません。アメリカで初めて商用のインターネットサービスが開始されたのが1988年で、その後日本で普及したのが1992年頃となりますので、この頃に生まれた世代がデジタルネイティブだといえるでしょう。
これに対し、途中の生活でITが取り入れられた世代をDigital Immigrants(デジタルイミグラント)、つまり「デジタル移民」と呼ぶこともあります。
ミレニアル世代やZ世代との違い
・ミレニアル世代
ミレニアル世代とは、一般的に1980年から2000年代初頭に生まれた世代をいい、いわゆる第一次ベビーブームが起きた団塊世代の子供たちを指します。
この世代は人口が多いことから、ファストフードやファストファッション、高等教育などの多くに影響を与え、親世代とは異なったライフスタイルを送る人が多いのが特徴です。また、ミレニアル世代もデジタルネイティブに含まれており、インターネットの普及後に育った最初の世代となります。
・Z世代
Z世代とは、1990年代後半から2000年代初頭に生まれた世代のことで、生まれたころから高速インターネットやスマートフォン、SNSなどが当たり前に使われています。そのため、Z世代はデジタルネイティブと重複しているのです。
「Z世代」という言葉は、アメリカのX世代から派生して生まれた言葉で、1960年代初頭から1970年代に生まれた世代を「X世代」、1980年代から1990年代半ばに生まれた世代を「Y世代」と呼びます。
【X・Y・Z世代】
◆X世代:1960年代初頭~1970年代に生まれた世代
◆Y世代:1980年代~1990年代半ばに生まれた世代
◆Z世代:1990年代後半~2000年代初頭に生まれた世代
デジタルネイティブ世代の基本的な行動傾向
デジタルネイティブ世代と現代の40代以上の人では基本的な考え方が異なり、それに伴い行動傾向にも大きな違いがあります。
即時性を重視する
デジタルネイティブ世代では、情報の取得や発信の速さに重きを置く「オンタイム志向」の人が多いといえます。普段からインターネットを駆使して音楽や画像といったデータをダウンロードしたり、チャットでコミュニケーションをとったりするため、情報をタイムリーに知りたいと思うのです。
モバイル機器を駆使する
日常の情報取得やゲーム、さまざまなシーンのコミュニケーションにモバイル機器を駆使するのもデジタルネイティブの特徴です。
少し前までは情報収集にパソコンが使われていましたが、近年では高性能なモバイル機器が普及していることから、パソコンよりもスマートフォンやタブレットを活用している人が多くなっています。
知りたいことはネットやSNSで検索する
デジタルネイティブは、疑問に思ったことや知りたいと思ったことはインターネットで検索するのが基本です。また、スマートフォンと親和性が高いSNSも彼らの情報源となっており、直接だれかに聞いたり調べたりするよりもスピーディ、且つ多くの情報を得ることができます。
インターネットを通じて人脈を形成できる
デジタルネイティブ世代は、ソーシャルメディアを介して人と知り合うことに抵抗が少なく、共通の趣味がある人や日常生活ではなかなか出会えないような人と、インターネットを介して積極的につながっていく傾向があります。
そのため日本国内はもちろん、国境を越えて人脈を構成することもできるのです。
自己を表現し、発信できる場を持っている
デジタルネイティブ世代は情報収集や人とのコミュニケーションのみならず、自分の考えや気持ちを発信する場があるという特徴もあります。
その際にはSNSやブログが活用されるのですが、デジタルネイティブ世代となるとテキスト以外に写真や動画も使いこなすことができるので、より忠実に自己表現することができます。
デジタルネイティブ世代の消費行動の傾向
デジタルネイティブ世代では消費行動にも独特の特徴があり、彼らの購買は常に拡散が伴っているといえます。ここでは、具体的な消費傾向をみていきましょう。
堅実で物欲が低い
1980年代以降に生まれたデジタルネイティブ世代は、成長過程で金融危機を経験しているため費用対効果を重視する傾向があり、モノを適正な価格で購入したいという意思が強めです。低価格で上質な商品を購入するために、欲しいものがある場合は店頭に行くのではなく、まずはインターネットで価格を比較します。
また、生まれたころからモノに囲まれて生活を送っていることから、どちらかというと「モノよりもいろいろなことを経験したい」という経験値重視の人が多いようです。
共感を重視し、シェアする
共感を重視するデジタルネイティブ世代では、価値観に共感できるブランド品や共感できる有名人が使用している商品など、SNSから情報を得て購入に至るケースが多くなっています。
また、SNSを通じた情報のシェアに慣れているだけあり、モノをシェアすることにも抵抗がありません。例えば、家や車、ブランドのバッグといった高級品などは購入するのではなく、シェアサービスを利用して必要な時だけ使うというスタイルを好むのです。
スマートなサービスを利用する
デジタルネイティブ世代は即時性を重視することから、商品の購入についても「すぐに商品を入手できる」「決済がスムーズ」「問い合わせへの対応が柔軟」といったスマートなサービスを好む傾向にあります。
インターネットを駆使して情報収集やコミュニケーションをとっている彼らは待つことに慣れておらず、少しでも待たされるようなことがあればストレスを感じてしまうのです。そのため、価格や品質だけではなくサービスのスピードも重視しています。
デジタルネイティブ世代が新時代をつくる
デジタルネイティブ世代とは、極端にいえばインターネットから得る情報が全てであり、人とのコミュニケーションもインターネットを駆使して行います。また、モノを所有するというこだわりが低く、自分のライフスタイルを重視するのも特徴といえるでしょう。
そのため、デジタル移民世代以前の世代とは大きな溝が間にあり、デジタルネイティブ的な感覚や行動を理解できないという人も少なくありません。
しかし、これから生まれてくる子供たちは確実にデジタルネイティブになり、彼らがこれからの社会を支えていくことになります。未来をより暮らしやすくするためにも、デジタルネイティブ世代の特徴を理解し、しっかりと受け入れていくことが大切です。