いい子症候群とは?特徴と原因、感情豊かな子供に育てるための予防法

クレヨンでお絵かきする子供の様子

子供のかかる病気にはいろいろありますが、最近では身体だけではなく「うつ病(新型うつ含む)」や「自律神経失調症」など、心の問題にも注目が集まっています。その一種が、今回ご紹介する「いい子症候群」です。

いい子症候群の症状と考えられるのは、親のプレッシャーを受けて、親がよかれと思う子供の姿に過剰適応しようとして表れるストレス反応などです。今回は、いい子症候群の特徴や原因、予防するために取るべき対応策などについてご説明します。

いい子症候群の原因と特徴

いい子症候群の特徴や、考え得るその原因についてご説明します。自分のしている子育てに思い当たることがないかをチェックしてみましょう。

いい子症候群とは?

「いい子症候群」とは、一般的に子供が「いい子であること」に対して過度なプレッシャーを感じることで陥る数々の症候を指していると考えられます。決して発達心理学や教育学などの学術用語として確立した言葉ではありませんが、子育て関連のインターネット記事や雑誌などで時折見られます。子供のころに家庭内で心的外傷を受け環境への適応に問題を抱える「アダルトチルドレン」と呼ばれる大人が、原因を振り返ったときに子供の頃の自分がいい子症候群だったと気づくケースもあるようです。

その定義も明確ではありませんが、概ね「親の顔色をうかがい、先回りして期待に応えようとする」「一見素直で従順だが、自分の気持ちを抑え込んでしまう」などの状態がいい子症候群の典型であるとされています。

子供がストレスを積み重ねるとチック(強いまばたきや顔振りなどの癖)、嘔吐、あるいは精神疾患などに見舞われやすいことは専門家からも指摘されています。アダルトチルドレンのように、場合によっては大人になっても心に傷を残してしまう可能性もあります。

いい子症候群になりやすい主な原因

いい子症候群と呼ばれる状況に陥る原因は、主に保護者を始めとした周囲の大人の関わり方にあると考えられます。

たとえば、親が子供に自分の理想を強要すると、子供は自分がしたいことよりも、自分がすべきことを優先しがちになり、無意識にストレスをためていくでしょう。傍目からは優等生タイプに見えても、いつかストレスが暴発する恐れもあります。

また、子供に過度な期待をかけると、失敗したときに子供を傷つける可能性が高いです。「もっとできると思ったのに!」「どうしてこんなこともできないの?」など、ついイライラして口に出してしまったことはないでしょうか。子供は「ママ・パパに認めてもらいたい」という気持ちを強めて、いい子であることに過剰適応しようとするわけです。

いい子症候群の特徴

特徴として、一見素直に見えるが過度に空気を読むところがあり、自己主張しない(できない)ことが挙げられます。

・自分で選択できない

親の意見に従う習慣ができた結果、自分の意志を持てなくなります。大きくなっても親の意見がないと物事を決められないままだと、親の望む進路を選んでしまうなど、人生全般に対して受容的な姿勢になる恐れがあります。素直に勉強してくれているように見えても、実はやらされているだけで本当の意味で身になってはいないかもしれません。

・わがままを言わない

自分の意見を口にしません。欲しいものがあっても言わない、したいことがあっても周りの意見に従うなど、自己主張や感情表現が乏しくなるリスクがあります。この背景には、本当の気持ちを表に出して親に嫌われてしまうことへの恐怖があると推測されます。

・反抗期がない

発達心理学では、人間は2~4歳の頃に第一反抗期、青年期初期に第二反抗期を迎えると考えています。親に反発する、口を利かない、反抗する姿勢を見せるなどの行動がそれにあたりますが、いい子症候群だとこの反抗期がない、あるいはほとんど見られないとされます。自分の気持ちを言っても無駄、認めてもらえないと考えている恐れがあります。

いい子症候群のまま大人になった場合の影響

いい子症候群の影響は成長して大人になってからも残ることがあるとご説明しましたが、具体的にどんな影響が残るのでしょうか。

自己肯定感が低い

自分自身を認めることができない傾向にあります。家族を始めとした他人に認めてもらうことがモチベーションであり、生き方そのものでもあります。したがって、他人から厳しい評価を受ける機会が増えると、必要以上に落ち込んでしまい立ち直りにくいでしょう。

能動的に行動できない

自分の意志で動くのが苦手です。親などの指示に従って動いているので、自分の意見を持たず、意志を持たず、消極的な姿勢になりやすいです。その結果、周りから見ると「指示待ち人間」「積極性がまるでない」などネガティブな見方をされやすくなります。

本音を言えない

思ったことをそのまま口にできません。「否定されたくない」との思いが強すぎるあまり、本音は抑圧されてしまうのです。そのため精神的なストレスがたまりやすく、集団の中で生きにくさを感じることがあります。

人によって態度を変える

褒められることがすべての原動力ですから、周囲の評価を得るべく利害関係で人と接する傾向が強いです。目上の人には媚びへつらい、自分より立場が下の人には高圧的な態度を取ることになります。一見厳格なように見えますが、それによって仕事を進めたりサービスの質を高めたりすることが目的なのではなく、あくまで自分が上の人から評価されることだけが目的となっています。

いい子症候群を予防する方法

わが子がいい子症候群に陥るのは避けたいですが、そうかと言って全く叱らないわけにもいきません。予防するためには、子供とどう接すればよいのでしょうか。

子供の意思を尊重する

叱るのは構いませんが、その叱り方には注意が必要です。人格を否定せずその場の行動の指摘だけにとどめてください。失敗につながった行動の原因を探り、問題の改善策を見つける意識で叱ることを心がけましょう。頭ごなしに否定すると、子供のためになりません。

子供が努力したことを褒める

結果だけでなく、結果を出すまでのプロセスに注目しましょう。子供がよい結果を出したときだけ褒めると、方法を問わず結果にこだわるようになります。

そうではなく、目標に向かって努力している姿を褒めるのです。特に、どこがよいのか子供に伝わるよう具体的かつ明解に褒めるとよいでしょう。

スキンシップをする

乳幼児の時期を過ぎても、スキンシップは有効です。いい子症候群の子供は、親から嫌われることを過度に怖がるものです。スキンシップを通じて愛情を表現すると、子供の安心につながります。

親が感情豊かに表現する

子供は親の感情表現を模倣します。親が喜怒哀楽を表現することで、子供も感情を自然と出せるようになります。素晴らしいと思ったことは素晴らしいと口に出すこと、よくないと思ったことは(理由も含めて)よくないと伝えるようにしましょう。子供のお手本になろうと、感情を過度に制御しようとしすぎず、自然体でいることが大切です。

保護者の関わり方を見つめ直していい子症候群を予防

いい子症候群は、生まれつきのものではありません。ある意味で、保護者が関わってきた歴史がいい子症候群という反応として子供に表れたものと言えるでしょう。そのため、保護者が関わり方を変えれば驚くほど症状が改善する可能性もあります。今回ご説明した内容を参考に、子供との向き合い方を試行錯誤してみてはいかがでしょうか。

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