「こんなとき、どうやって褒めたらいいの?」「叱ったけれど子供を傷付けてしまった?」など、子育てにお悩みではありませんか?子供も3歳に達すると、パパやママの接し方によって大きな影響を受けます。子供の精神的な成長を促す接し方は、親として身に付けておきたいですよね。今回は、子供の成長を促すうえで効果的な褒め方、および叱り方をご紹介します。いざというとき迷わず、自信を持ってお子さんと接することができるように、ぜひ参考にしてください。
正しく子供を褒めることで得られる効果とは
子供の褒め方にも、正しい褒め方と避けたほうが良い褒め方があります。正しく子供を褒めることで得られる効果について、まず説明しましょう。
子供の自己肯定感の育成につながる
正しく子供を褒めることは、子供の自己肯定感の育成につながります。親に褒めてもらうことで、ありのままの自分自身を認められるようになるのです。
自己肯定感とは、自分自身が価値ある存在と自己認識することです。ありのままの自分自身を享受して信じることですが、「自信」とはやや異なります。勉強や運動などで秀でた成果をあげたことの裏打ちがある心理状態ですね。
例えば、素晴らしい成果をあげたとき「よくできた」と素直に事実を喜べる場合は自己肯定できている状態です。「できて当然」という強い気持ちにまでなると、自信と呼んでいいでしょう。
逆に、自己肯定感が低い場合、たとえ素晴らしい成果を手にしても「こんなのたまたまだ」「他人に助けてもらったからだ」と考える傾向があります。また、物事に取り組むときに「どうせ自分はダメなやつだからできない」と最初からネガティブな感情を持ってしまいがちです。
自己肯定感の低い人は、スタート地点からかなり委縮し、損をしています。子供の自己肯定感を高めることは、人生を生きやすくするためにとても重要なことなのです。
子供の「心の強さ」の育成につながる
子供を正しく褒めると、子供の心はとても強くなります。心の強さには「積極性」「粘り強さ」「ポジティブさ」という3つの特性をしっかりと伸ばしながら育てることが大切です。
積極性とは、どんな難しいことにも挑戦する心。粘り強さは、一度チャレンジに失敗してもくじけない強さと再挑戦への意欲をもたらします。ポジティブさは、明るい性格と他人の存在をそのまま受け入れられる寛容性の基盤となる特性です。これらの特性を上手に育てて心を強くすることで、子供は強い大人へと成長できます。
子供を褒めるときのポイント
子供を褒めるときのポイントとはどこにあるのでしょうか。それは以下の3点に集約されます。
・その場ですぐ褒める
・結果ではなく過程を褒める
・感謝や感動の気持ちも伝える
それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。
その場ですぐ褒める
褒めるときは、すぐその場で褒めてください。褒めるポイントが見つかった時点で褒めることが重要です。褒めるタイミングを逃さないようにしましょう。そのためには、ある程度子供に対して意識を向けておくことが求められます。時間が空いてしまうと、褒めても子供の心に響きづらくなりますので注意してください。間に合わない場合でも、せめて今日あったことなら今日中に褒めましょう。
結果ではなく過程を褒める
まずは、何かにトライしようとしたこと自体を褒めましょう。結果ももちろん褒めていいのですが、「子供が一番がんばったこと」「一生懸命やったこと」に対して、具体的な言葉で褒めてください。褒めているときは、「ここまで必要?」大げさなぐらいに褒め、笑顔で接してください。
また、子供のやる気や努力にしっかり焦点を当てましょう。過程をしっかり見ていてもらえると感じることで、子供の中では積極性やあきらめない心が育ちます。
感謝や感動の気持ちも伝える
褒めるときには、感謝や感動の気持ちも伝えましょう。自分の行動が「人のためになっている」という経験につながり、子供の自尊心や自立心をはぐくみます。
避けたほうが良い褒め方
それでは、逆に避けたほうが良い褒め方にはどのようなものがあるでしょうか。
結果や能力を褒める
結果や能力だけを褒めるのはNGです。子供に「結果がすべて」という誤った意識を植え付けるおそれがあります。結果ばかりを重視すると、子供にとってプレッシャーになったり、表面だけを取り繕えば良いと思われたりするかもしれません。子供ががんばったことが一番重要なのだと伝え続けてください。
ご褒美と一緒に褒める
褒めるとき、常にご褒美を与えるようにしないでください。子供が物をもらえないと何もしないようになります。本当にがんばっていたことが分かったときはご褒美を与えても良いでしょう。しかし、ご褒美ばかり与えていると喜びの感情は薄くなり、褒めてもらった喜びまで薄まってしまう危険性があるので避けたほうが賢明です。
ほかの子供と比較して褒める
周りの子供や兄弟姉妹と比較して褒めてはいけません。過剰な競争意識や誤った自尊心、他人を大事にしない傲慢さを育てるおそれがあります。また、誰かと比べて褒めるという行為は、結局その「比較している相手」を基準として見ていることを暗に示している行為です。子供の性格によっては「自分を見てもらっていない」と感じて、逆に反発を招きかねません。
子供を導こうとして褒める
つい使いがちな褒め言葉に「○○ちゃんはいい子だから、~もできるよね?」のような言い方があります。このような言い方も問題です。「家事の手伝いをさせる」「嫌いな食べ物を食べるように仕向ける」などのときにやってしまいかねない褒め方です。この褒め方では、他人の顔色ばかりうかがうような子供になるおそれがあります。「いい子という評価」を守るために、子供は疲弊するでしょう。
それに、子供が成長すると、「親に利用されている」「親の都合を押し付けている」ということがはっきり見えるようになり、親への不信感につながる可能性もあります。ついやってしまいがちですが、この褒め方はダメという認識を持っておきましょう。
子供の成長を促す上手な叱り方
次に、褒めるよりも難しい「叱り方」について見ていきましょう。正しい叱り方で、子供の成長を促してください。
子供の気持ちや、行動にいたった過程を否定しない
子供が悪いことをしてしまった理由や気持ちは否定しないでください。「悪いことをした」という結果を叱りましょう。褒めるときとは逆ですね。子供の気持ちや過程を否定しない叱り方は、子供の自立心の芽を摘みません。
結果を叱った後は、「なぜそのような言動を行ったのか」「そのときどんな気持ちだったのか」をじっくりと聞いてあげましょう。心理学の用語で「傾聴」と呼ぶ姿勢ですが、じっくりと子供の話に耳を傾け、子供の気持ちに共感する努力をしてください。気持ちを分かってもらったと感じた子供は、自分の何が誤っていたのかに気づけるようになります。その結果、真の意味で失敗を受け入れ、改善ポイントも理解できるのです。
正しい行動を諭す
叱るときは、正しい行動について説明して諭し、頭ごなしに怒鳴らないようにしてください。「怒鳴る」という行為はどのような場面であっても不適切な叱り方で、子供が存在自体を否定されるように感じてしまいます。先ほども触れたとおり、まずは結果について叱った後、正しくはどうすれば良かったのかを教えるようにしましょう。
すでに、自分で正しい行動は何だったかを分かっている年齢なら、正しい行動をこちらから教えずに、自分で気づけるように導くことも意識してください。分かっていることを人から言われると、言われた人は素直に受け止められません。子供の精神年齢に合わせて、諭すか諭さないかの判断もしましょう。
上手な褒め方と叱り方を身に付け育児に自信を持とう
子供の上手な褒め方と叱り方について説明しました。重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
【上手な褒め方】
・その場ですぐ褒める
・結果ではなく過程を褒める
・感謝や感動の気持ちも伝える
【避けたほうが良い褒め方】
・結果や能力を褒める
・ご褒美と一緒に褒める
・ほかの子供と比較して褒める
・子供を導こうとして褒める
【子供の成長を促す上手な叱り方】
・子供の気持ちや、行動にいたった過程を否定しない
・正しい行動を諭す
正しい褒め方と叱り方を実践していくことで、お子さんの笑顔が増え、育児に自信が持てるようになるでしょう。