人工知能(AI)に関する資格とは?世界的に進む技術者の育成

studyと書かれた黒板

近年では、人工知能(AI)に関するニュースは日常的となっており、人工知能に関わる仕事がしたい、もしくは転職したいという人は少なくありません。しかし、人工知能に関する学習や資格というのはあまり知られていないのが現状で、何から始めたら良いのかわからないというのがほとんどではないでしょうか。
そこで今回は、人工知能に関連した資格や講座の情報について紹介します。
※本記事は2018年10月現在の情報に基づいています。

人工知能(AI)関連の主な資格

まずは、人工知能に関連する資格にどのようなものがあるのか、また、それぞれの試験についてみていきましょう。

G検定(ジェネラリスト検定)

G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が主催している試験で、ディープラーニングの基礎知識を備え、事業活用する人材(ジェネラリスト)の育成を目的としています。
特に受験資格は設けられておらず誰でも受験することができますが、人工知能関連の知識や機械学習の知識、ディープラーニングの知識などを有しているかを問われるため、かなり勉強しないと合格は厳しいといえるでしょう。

*受験資格

なし

*試験概要

100問 120分
オンライン受験(自宅受験)

*問題

・100問の多肢選択式
・問題文・回答の選択肢に惑わされやすい傾向がある
・「ディープラーニング学習のシラバス」より出題

《シラバス》

人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
人工知能をめぐる動向
人工知能分野の問題
機械学習の具体的手法
ディープラーニングの概要
ディープラーニングの研究分野
ディープラーニングの応用に向けて

*受験料

12,960円(税込み)/学生5,400円(税込み)

E資格(エンジニア資格)

E資格もG検定同様、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催している試験となります。
E資格に関しては、ディープラーニングを実装したエンジニア育成を目的としており、エンジニアとして人工知能を扱う技術を持っているかどうかが問われます。そのため、受験資格としてJDLAが認定したディープラーニング講座「JDLA認定プログラム」の修了も定められており、G検定に比べてより専門的な知識が必要です。

*受験資格

JDLA認定プログラムの修了

*試験概要

106問 120分
会場受験

*問題

・小問106問の知識問題(多肢選択式)
・使用フレームワークやライブラリに依存しない問題
・「ディープラーニング学習のシラバス」より、JDLA認定プログラム修了レベルの問題を出題

《シラバス》

応用数学
 線形代数、確率・統計、情報理論
機械学習
 機械学習の基礎、実用的な方法論
深層学習
 順伝播型ネットワーク
 深層モデルのための正則化
 深層モデルのための最適化
 畳み込みネットワーク
 回帰結合型ニューラルネットワークと再帰的ネットワーク
 生成モデル
 強化学習

*受験料

32,400円(税込み)

人工知能(AI)関連の資格取得に役立つセミナー

G検定やE資格を独学で勉強するのも良いですが、資格取得に役立つセミナーも多く開催されており、より効率的に学習することができます。

助成金を利用して受講できるセミナーがある

人工知能関連の資格が勉強できるセミナーというのは非常に多く、自分に合ったセミナーを探すのは比較的簡単だといえます。中には厚生労働省の「人材開発支援助成金制度」の対象となっているセミナーもあり、労働局やハローワークに申請すると助成金が支給され、低額で講座を受講することが可能です。

なお、助成額については企業や個人によって異なりますので、厚生労働省の公式サイトや会社の担当者に確認してみましょう。

セミナーに参加するメリットとは?

人工知能関連の資格を取得するためには専門知識が必要となり、習得するべき知識も非常に複雑だといえます。もちろん、資格取得のための参考書はたくさん販売されているので、自分で勉強を進められる人は独学でも合格が可能です。
しかし、これまで人工知能と接点を持たなかった人が独学で勉強しようとしても、ほとんどの場合、途中で挫折してしまう可能性があります。

セミナーに参加すると、人工知能の初歩的なことから最新の知識までがしっかりと学べ、複雑な仕組みや用語もスムーズに習得することができます。また、試験のポイントなども押さえることができるので、独学よりも効率的に学習を進めやすいというメリットがあります。

人工知能(AI)に関する技術者育成の取り組み

近年では、人工知能の凄まじい発展に伴いAI人材の不足が問題視されています。ここでは、技術者育成のための具体的な取り組みについて紹介します。

日本の技術者育成に向けた取り組み

これまで日本は、ディープラーニングの技術に対する理解や人材不足といった問題を抱えており、他の国と比べてディープラーニングの導入に遅れをとっていました。
これに大きな危機感を抱いていた企業らが2017年に「日本ディープラーニング協会(JDLA)」を設立し、日本の産業にディープラーニングを取り入れ、産業競争力を高めようと活動を行っています。

また、日本ディープラーニング協会(JDLA)は人材育成に重きを置いており、理事長となる東京大学大学院工学系研究科の松尾氏を中心に、大学教授や企業技術者など、産学官からの有識者により人材育成の取り組みが進んでいます。
これにより誕生したのが「G(ジェネラリスト)検定」「E(エンジニア)資格」です。

【日本ディープラーニング協会(JDLA)の主な活動内容】

 産業活用促進
 資格試験事業を始めとする人材教育
 公的機関や産業への提言活動
 国際連携活動
 社会との対話

世界の技術者育成に向けた取り組み

人工知能技術を世界的に考えると、今私たちがやっている仕事の半数以上が人工知能に奪われ、膨大な失業者が出るといわれています。つまり、AI時代に突入するということです。
そのため、今後は人工知能の技術者育成の必要性がさらに高まり、人材の奪い合いが予測されているのです。

世界から優秀なエンジニアが集まるアメリカでは、ディープラーニングの主要カンファレンスである「NIPS(Neural Information Processing Systems)」などを利用して、人工知能の魅力を呼び掛けたり、研究結果を公開したりしています。
また、アメリカや中国のIT関連企業では、著名な研究者による指導や研修を徹底するなど、ディープラーニングに対して多額の投資を行い、「優秀な人材の獲得には努力を惜しまない」といった姿勢をとっています。

このことから、日本だけではなく世界中が人工知能の知識や技能を有する技術者の育成に力を注いでいるといえるのです。

人工知能技術者のニーズは今後さらに増え続ける

人工知能技術者の育成に力を注いでいる日本ディープラーニング協会(JDLA)は、設立が2017年とまだ新しい組織です。そのため、今後さらに新しい資格が誕生したり、人工知能の技術を学ぶ場が増えたりすることも想定できます。

人工知能業界への就職・転職を検討される場合は、体系的な知識を習得するためにも「G検定」の取得を考えてみてはいかがでしょうか。日本ディープラーニング協会(JDLA)の試験問題に沿った学習が必要となるため、G検定試験に一発で合格するためには、ぜひ助成金を利用できるセミナーを検討してみましょう。

人工知能技術は非常に複雑で難易度の高い知識になりますが、身につけると就職・転職にもかなり有利になります。インターネット上でわかりやすく解説しているサイトもありますので、興味のある人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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