人工知能(AI)が進化した未来とは?メリットと危険性の正しい理解を

デジタル脳

最近、テレビや本書でも頻繁に取り上げられている人工知能。日本経済のみならず世界的にも注目を集めており、今後はあらゆるシーンで人工知能が利用されるといわれています。ここでは、人工知能を導入する具体的なメリットや、シンギュラリティによって未来がどう変わっていくのかを紹介します。
私たちはもちろん、現代の子供たちにとっても避けては通れない事象となりますので、今のうちに正しい情報を身に付けておきましょう。

人工知能の現状と活用事例

「人工知能」という言葉は知っていても、その内容についてよく知らないという人は多いもの。そのため、まずは人工知能の現状や活用事例についてみていきましょう。

人工知能の現状

これまで人工知能の進化をリアルに実感するということはあまりありませんでしたが、現在は実用的に活用できるレベルにまで進化しており、多くの人が人工知能の技術革命を感じている状態だといえます。

・人工知能の発展が進む

現代のテクノロジーはひと昔前とは大きく変わり、非常に便利な世の中になりました。しかし、そのテクノロジーの最先端となる「人工知能」は1960年代頃から誕生しており、1960年代の第一次AIブーム、1980年代の第二次AIブームと地道な研究・開発が続けられてきました。
その後2000年代に突入すると、ビッグデータの活用やコンピュータ環境の発達によりディープラーニング(深層学習)という技術が誕生します。このディープラーニングというのは、人間が自然に行うタスクを機械が学習できるというシステムで、これまでは人間が膨大な手間と時間をかけて機会に覚えさせていた内容を、機械が自分で学習します。
そのため、ディープラーニングの活用により人工知能の発展も急激に進み、現在は「第三次AIブーム」として研究や開発が飛躍的に進歩しています。

・人工知能が人間に勝利した

2016年、Googleのグループ企業が開発した「アルファ碁」という囲碁のシステムと人間が対戦し、4勝1敗という成績で人工知能が勝利をおさめました。このことは「AIが人間に勝利した」と世界中で大きな話題となり、現在では囲碁や将棋、チェスといったさまざまな分野で「人間vs人工知能」の電王戦が開催されています。
こういった人工知能との対戦では、人間がなかなか思いつかない一手をコンピュータが導き出すことにより、今まで負けなしだった棋士が負けたり、苦戦したりするケースが増えて、人間同士の対戦とは違った刺激があるとして人気です。

人工知能が活用されている例

多くの人が感じている人工知能の技術革命はさまざまで、私たちが普段当たり前のように使っているインターネットの音声検索や画像検索にも人工知能が活用されています。このように、私たちが気付いていないだけで既に、さまざまなものに人工知能が導入されているのです。
そのなかでも、最近特に注目されている活用例を3つ紹介しましょう。

・自動車の自動運転技術

車の自動運転というのは、人間がアクセルやハンドルを操作して目的地へ向かうのではなく、乗車した人が目的地を告げると車が音声を認識して目的地まで運転をしてくれるというものです。しかし、人工知能の技術はまだ人間レベルに達していない状態で、海外企業では自動運転の試験中に死亡事故を起こした事例もあります。とはいえ、人工知能にはディープラーニングという機能が備わっているため、事故についても学習することができます。そのため、あと5年もすれば自動運転も珍しいものではなくなっていることでしょう。

・人工知能ロボット

2017年、香港のロボットメーカー「ハンソンロボティクス」が開発した人工知能ロボット「ソフィア」がサウジアラビアで世界初となる市民権を取得しました。ソフィアにはまだ意識が備わっていないものの、数年以内には意識を持ったロボットが誕生すると予測されており、これまで人間が行っていた過酷な作業を代替することや、洗濯や掃除、高齢者の介護などが目標とされています。

・オペレーション業務

現在、日本の外食業界では慢性的な人手不足となっており、その原因は「長い労働時間」と「単純作業」だとされています。また、外食産業では一般的に売り上げの約3割がコストになるといわれており、他の業界に比べてコストの比率も高めになるのです。しかし、材料のカットや発注といった通常のオペレーション業務を機械化し、大きなコスト削減に成功した企業があります。人工知能を活用し、大量のデータ保管や分析、作業を行うことで、無駄な人件費や時間を大幅に削減することができるのです。

人工知能の発展によるメリット

現在は飛躍的に開発が進められている人工知能ですが、今後さらなる発展を遂げることで一体どんなメリットが生まれるのでしょうか。

労働負担の軽減

人工知能の発展に伴いまず大きなメリットとなるのは、労働による負担が軽減できるということです。特に「きつい・汚い・危険」の3Kと呼ばれる業界においては、人間の代わりに人工知能が作業を行うことでかなりの負担を軽減することができるといわれています。

また、ほかの業界に関しても機械が作業することによって人為的なミスがなくなったり、人間の負担が軽減されたりすることでより良いサービスが提供できるといったメリットに繋がるでしょう。

生産性の向上

人間が作業を行う場合、その日の体調や気分がどうしても仕事に影響してしまい生産性が落ちることもしばしば。こればかりは自分の意識でコントロールできるものではないため、どんなに気をつけていても改善するのは困難でしょう。

しかし、人工知能には感情や体調がありませんから、人間の代替として利用することで常に安定した労働力で作業することができ、生産性の向上が見込まれます。

顧客満足度の向上

人工知能は膨大なデータの中から特定の情報を割出したり、分析したりすることを得意とします。そのため、サービス業などで活用すれば顧客のニーズをいち早くとらえることが可能です。
また、感情や体調に左右されないためサービスの均一化や、営業時間外の顧客対応も可能となり、顧客満足度をより向上させることができます。

人工知能の発展により懸念される未来とは

人工知能の発展には懸念を抱いている人も多く、人によっては大きなリスクとなる可能性も考えられます。

シンギュラリティに達する

シンギュラリティというのは「技術的特異点」という意味があり、このまま人工知能が進化し続けていった際、人工知能が人間の知能を超えるポイントを指します。現状、シンギュラリティは2045年までに起こるといわれており、専門家の間では「2045問題」なんて呼ばれているほど。

人類はこれまで40億年という歳月をかけて進化を遂げてきましたが、シンギュラリティが起こるとこれまでの概念が覆され、だれも経験したことがない未知の時代に突入することになるのです。そのため、人間生活にも大きな変化が現れるといわれています。

人と機械の関係性が変化する

既に多くの企業が人工知能の導入を行っていますが、今後さらに進化し、これまで人間にしかできなかった仕事までもが機械化できるようになれば、将来なくなる職業が増え大量の失業者が出るという予測もあります。

また、機械が知的になることで人間よりも優位に立ち、いずれ人間が支配される側になるのではないかという懸念もゼロではありません。インテリジェントな能力は次々と新しい技術を産み出し、人間が制御することに限界が来る可能性も十分考えられるのです。

人間は人工知能に支配されてしまうのか

ある専門家は、今後も著しい速さで進化していく人工知能により、2025年~2035年の間に日本の約49%の仕事がロボットに奪われるという、衝撃的なことを述べています。とはいえ、少子高齢化により将来は労働者不足が予測されていることや、今回紹介したような大きなメリットも持ち合わせているため、一概に「危険」と判断する必要はないでしょう。

ただ、人工知能は2045年までに必ず人間を超えるでしょうから、前例のない新時代に備えて、もっと子供たちにAIについて認識させておくことが大切です。

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